20100528

ブラジル渡航レポートVol.15

先月4月に渡航したMaria fogueteiraさんのレポートです。

ブラジル滞在レポート
新潟支部 吉田知美(Maria Fogueteira)


私が東京でカポエイラに出会って8年が過ぎ、「いつかはブラジル」と思いながらなかなか実現しなかったブラジル行きがついに現実のものとなりました。

2007年に東京から新潟へ引越し、それと同時に私のカポエイラ練習環境ががらりと変わりました。それまでは先生たちの後についていけばよかった受け身の状態から、逆に自分が引っぱっていかなければならない立場へ。

仕事の合間をぬっては、暇さえあればカポエイラのことばかり考えている私の様子をみて、夫もついに理解をしてくれてようやく今回の渡航が実現しました。ブラジルに行くなんて最初は冗談で言っていると思われていたようですが、最終的には「強くなって帰ってこい」と背中を押してもらいました。

久々の海外、そして初めてのブラジル。
準備しながら心配ごとや不安もたくさんありましたが、目的ははっきりしていました。カポエイラをしてくること!!!
言葉の壁はやはりなくすことはできませんでしたが、カポエイラという共通の言語がなければ半分も楽しめなかっただろうというのが正直な感想です。

今回は神奈川支部のAlbatroz先生と一緒に出発し、帰りは私が先に帰国したのですが準備期間から滞在期間中にもなにかと助けていただき、とても感謝しています。
私たちがリオデジャネイロに到着した前日は豪雨だったらしく、初めて出会うブラジルの空は写真で見た抜けるような青さとはほど遠く、新潟と同じどんより曇り空でちょっと期待外れでしたが、それ以外は見るものすべてが新鮮で刺激的でした。

私の滞在期間中、前半の数日は毎日のように雨が降りどこにも出かけることができませんでしたが、その分カポエイラに充てる時間が十分取れたのでラッキーだったのかも知れません。

朝は雨の音や鶏の鳴き声で目を覚まし、起きて朝食をとり、その後道場で練習。
昼食を食べて休憩(昼寝)。
ビリンバウやアタバキの音が聞こえてきて目が覚め、道場へ行くとみんなが集まっている。夜のレッスンを受けてシャワーを浴びて、夕食、寝る。

寝ること、食べること、カポエイラすること、それだけで一日が過ぎてしまうという贅沢な日々を過ごしてきました。
食べ物に関しては心配もしていましたが、いざ行ってみると全く問題なく、どれだけ食べても次の食事のときには空腹だったので、またお腹いっぱい食べさせてもらっていました。それだけ体を動かしていたということでしょう。
心配していた虫(蚊)に悩まされることもなくとても快適に過ごすことができました。



カポエイラに出会っていなければ決して行くことのなかったであろうブラジル。
Cordão de Contasの一員であるというだけで、温かく受け入れてくださったMestre Décioとご家族のみなさん、そしてイタグアイのCordão de Contasのみなさんには、大きな家族の一員として受け入れてもらえたことがとても嬉しかったです。
Mestre Décioに稽古をつけてもらったこと、事細かにアドバイスをいただいたこと、アタバキを習いたいと言った私にMestre Vagalumeが叩き方を教えてくれたこと…思い返してみればあっという間のできごとでしたが、中身の濃い9日間でした。

練習が終わっても尽きることのないパワーで延々とアクロバットの練習を続ける子供たち。バク転やって見せて!と言われ、やってみると予想上に喜んでくれて、もう1回、もう1回と乗せられて何度もやる羽目に。
コレできる? と次々といろんな技を見せてくれて、見よう見まねで一緒に練習したり。
ホーダの時に、調子に乗ってバク転をしたら予想通り、わぁ~っとみんなが喜んでくれてやった!と心の中でニヤリとしてしまいました。



滞在中に他団体のホーダにも連れていってもらったことや、Professor Chocolateがカポエイラを教えている小学校に行って子供たちとJogoしたことなども、非常に貴重な経験となりました。

いくつものホーダに参加して感じたことは、ブラジルでは本当にいろんな人がいて、肌や髪の色、(きっと)目の色も異なった人たちがみんな「ブラジル人」で、そんな多様さの中でカポエイラは受け継がれてきたのだなあということ。そのことを肌で感じられたことがとても大きかったと思います。どんな人でもカポエイラは受け入れてくれるという懐の深さを見た気がしました。Jogoが上手か下手かは問題でなく、その場にいる全員で”Roda”を作っていくということ。そんなカポエイラが私はやっぱり大好きだ、と思いました。

あれほど「遠い国」だと思っていたブラジル、一生に一度のことかもしれないと思って臨んだ今回の渡航でしたが、帰国する時には「また来年も…」などと次の計画を立ててしまう自分がいました。



ブラジルから帰国して早1ヶ月上が過ぎました。
滞在期間中に、「日本に帰ったら、新潟に帰ったら、あれをしようこれをしよう」といっぱい考えてきたのですが、このレポートを書きながらまだほんのわずかしか実行できていないということに気がつきました。ブラジルで学んできたことを今後にしっかりと生かしてこそ行った意味があると思うので、お世話になった方々の感謝の気持ちも込めてまた今日から頑張りたいと思います。

まだ始まったばかりの新潟支部ですが、これからもっと良くなっていけるようみんなと力を合わせていきたいと思います。

Maria Fogueteira
吉田(長谷川)知美

20100520

支部長ブログVol.46

月毎にランダムに東京・千葉・神奈川・静岡・新潟支部長が記事を書いて投稿していきます。

CCJカポエイラ協会
代表池村

今年に入ってから色々ありました。

関西支部
まず2月中旬に、大阪支部での講習会がありました。今回で3度目です。
沢山の参加者で、濃厚な時間はあっという間に過ぎていきました。30人以上いましたので、全員とはJogo出来ませんでしたが、Guraduado以上のレベルの生徒さんとは、AngolaでのJogo出来ましたので、今回のテーマとしては良かったのではないかと思います。次回はうまく皆と出来れば良いですが、体力が持つかはやってみないと分かりません。また来年。


東京本部
そして、先日のゴールデンウイークですが、目黒道場にてカポエイラ集中講座を開催。
各支部から沢山の参加者で賑わいました。

歌あり踊りあり、楽器に基礎練、カポエイラ映像に分析と、時間を余す事なく出来ることを全て盛り込んでみました。
その中でも、4日に行った第一回全支部合同Roda(全国大会)は約130名が参加し、Rodaを二つに分けて時間の許す限りJogoを楽しみました。
女性のみ、男性のみ、帯のレベル毎、上級者パフォーマンスなどなど。







関東選抜チームのマクレレ披露にサンバジホーダ。



5時間があっという間でしたが、連日の講座でさすがに疲れはピークに。ですがこれは心地良い疲労です。
打ち上げも盛り上がり、支部毎の敷居も低くなりました。もともとそれほど無いですが。


新潟支部
そして16日は新潟支部講習会でした。
昨年7月より支部として正式に活動を始め、着実に支部らしくなってきています。
今回で2回目の講習会になりますが、少ない人数で濃厚に稽古をしているのが感じられました。福島サークルからの参加もあり、とても良い時間を過ごす事ができました。
みっちり3時間あっという間で、やろうとしていた内容の7割程で時間が来てしまいました。
それでも全員とJogo出来たので、それはそれでやりきれなかった分はまたの機会に。


こういった活動を通して、支部毎のスキルアップに繋がれば、先日行った全国大会のレベルも必然的に上がります。

昇段式
そして毎年夏に、関東、関西にて開催される合同昇段式に招聘する、リオ・デ・ジャネイロ本部

最高師範デシオ館長を迎えての講習会を通じて、さらなるカポエイラの追求により、日本支部全体の方向性が見いだせます。



ブラジルの国技と言われているカポエイラが、日本で着実に成長しています。
そして、本国に負けないくらいまとまりのある団体作りを目指し、次の世代がカポエイラをする時には、昔から日本にある物として立派に胸を張れるよう、今後とも全支部一丸となって追求していきたいと思います。


普段のレッスンとは違い、特別な時間を共有することで、インターネットやテレビなどの知識ではなく、肌で感じ、五感を研ぎ澄ませ、そこにいたからこそ経験できる事こそ、皆さんの財産になるのではないかと思います。このような機会をどんどん作っていこうと思います。


代表池村

20100512

支部長ブログ Vol.45

月毎にランダムに東京・千葉・神奈川・静岡・新潟支部長が記事を書いて投稿していきます。

東京支部目黒道場主 渡部

AFINANDO(同調)

今回のブラジルは特別だった。
これほど自分の変化を実感できた時期が今まであっただろうかと思うくらい特別だった。
自信を持って言えるのは、今回のブラジルで自分は確実に一回り大きくなれたこと。
身体も少し大きくなったのだが、それ以上に自分の中の何かが大きく膨らんだ。

そのキーワードが「同調」。
今回は4回目のブラジルという事もあってか、自分がとても自然体でいられた気がする。
ブラジルにいる間、普段の自分がそのままブラジルの生活に溶け込むことができた。
もう決して特別な経験ではなくなった。
ただ、日本での生活と一番違うのはメストレ・デシオと同じ空間で生活することだった。
メストレとはこれまでの3回も同じように生活をしてきたのだが、今回までは自分の中で越えてはいけないラインをひいてしまっていた。
もちろん今でもメストレ・デシオはとてつもなく大きな存在で、まだまだ自分の知らないはるか先の世界を歩んでいる人である。
しかし、自分でラインをひいてしまっていては外から観察することはできるが、同じ空間を共有できない。
そのラインが今回はあまりにも自然にスーッと消えてなくなった。
メストレ・デシオのリズムに自分の身体がどんどん同調し始めた。
そのラインを取り払う事が出来たのはコハダン・ジ・コンタスに8年在籍した間に積み上げてきた自分の成果だと思っている。
自分でこんなことを言うのはおかしいことだとは重々承知している。
ただ、ペットが飼い主に似てくるように今回の滞在の中で僕も少しメストレに似てきたのだと思う。
同じ空間で同じ価値観を共有することにより、メストレ・デシオの持つ色んなものが不思議なくらい自分の体に浸透してきた。
これまでは必死に学ぼうとしてきた。
もちろん今でも色んな事を学ぼう、盗もうという気持ちは持っている。
ただ、浸透してくる力というものは今までに経験したことがないくらい強い力だった。
ブラジルから帰ってきて早1ヶ月半。
一度浸透した力が抜ける気配は今のところない。
しかし、早くも次のメストレとの生活できる期間を身体が欲している。



ブラジルに着いた瞬間、もう自分の体はブラジルのリズムに同調し始める。
もはやブラジルは特別な場所ではなくなってきた。
「ベレーザ・プーラ!」と言ってマッキーニョと力強く手を合わす。
子どもたちと一緒に大量の汗を流す。
近所から聞こえる大音量の音楽に足が勝手にステップを始める。
自分は日本人である以上にマオン・ジ・オンサなんだなと実感する。

20100505

支部長ブログVol.44

月毎にランダムに東京・千葉・神奈川・静岡・新潟支部長が記事を書いて投稿していきます。

神奈川支部代表 中嶋


2010、ブラジル渡伯記(4月5日~5月2日)

今年は運よく、他団体のホーダに行く事ができました。
リオ・デ・ジャネイロのカポエイラを古くから支えてこられたメストレの一人
Cruzeiro do sul
Mestre Corvinhoのホーダです。

ホーダには多くのメストレ・メストラ・コントラメストレ・プロフェッソールが参加し、
貴重なジョゴを多く見る事ができました。


左から三番目、当団体館長 Mestre Decio
右隣、Mestre Corvinho


ホーダの最後には、通常より小さなホーダになり、メストレだけのジョゴが行われました。
常に近距離でのメストレ同士のジョゴは緊張感溢れ、まばたきも許されない本当に貴重な時間でした。



左、Mestra Siomara(Capoeira Martins)
右、Mestre Corvinho(Cruzeiro do sul)




ブラジル本部では、ここ最近3ヶ月に一度、カポエイラの歴史や知識に関する試験を行っています。

試験の目的は、カポエイラの事をどれだけ知っているかではなく、
今、自分がカポエイラの何を知らないかを把握する事です。
試験の答案に点数をつけることはしません。
大切なのは試験の後、知らなかったことを知ろうとすることにあります。




今年は、団体創立30周年です。
毎年10月に行われるブラジル本部のバチザドは、盛大なものになると予想されます。
次回の渡伯は今年10月の本部のバチザド時期を予定しています。
多くの偉大なカポエイリスタに会えるのが、今から楽しみです。