20100430

ブラジル渡航レポート Vol.14

先月渡航したHarmoniaさんのレポートです。

東京所属Harmonia


今回の渡航で
特別な国になったブラジル。

感じたものは余りに多すぎて
どんな表現を駆使しても足りず、
きっと今まで渡航レポートを書いた皆が
同じように「あー!!伝えきれない!」と
感じていたのではないかと想像します。

そこで私は、イタグアイにおいて
一番強く大きく感じたものをフォーカスしようと思います。

それは
Liberdade 自由 

もちろん、好き勝手やるということではなく
心の中が自由であるということ。

起きた時間が起きる時間(笑)
テーブル一杯に並べられた朝食は、
山盛りのパンと、大きなチーズにバター。
それにガラナのジャムをたっぷりのせて
好き放題頂きます。

お昼のシュハスコでも、
夕涼みの玄関でも、
島への往復の船の上でも、
いつのまにかビリンバウはセッティングされ、
約束したわけではもちろんないけれど
いつの間にか適当な順序で歌は周り、
ビリンバウは様々な手によって
奏でられていきます。

夜のシュハスコでforroが流れだしたら
皆誰からともなくステップを踏み、
手を取り踊りだすものもあれば、
変わらずビールを飲み続けるものもいれば、
ちょっと恥ずかしくて下に駆け込む子供もいたり。

国籍も職業も年齢も、
私たちが表面的になにものなのかということは全く関係なく、
その中で「こうあるべき」という鎖も簡単に解いてくれる。
同じコハダンという仲間、それだけで十分に
自由な気持ちを分かちあえる。。

そんな
Liberdade 自由

もちろんホーダにおいても然りです。
みんな思い切り大きく自由にジンガ、
ルールを守りつつも好きな時にコンプラ、
ジョゴしたい相手を見定めてコンプラ、
そしてホーダ内で自由自在に動き回ります。

やっぱりどこでも
Liberdade 自由。。

しかし、ふと思いました。
『自由』には必ずつきものである『責任』や『義務』。
イタグアイの皆の場合、
アカデミアのホーダの場合、
それって何だろう・・

「よし、見てみよう、たくさん見てみよう」
その答えを探るため、皆をたくさん見る。
見る、、見る、、。。

ジョゴ中も思い切り見る、見続ける。。
あ、目が合った、あ、また目が合った。
ああ、こちらを見てる、見つめあう。

「そうか!めちゃくちゃ見てる!!!」

自由に、心のままに立ちあがり、動く。
でもその代わりに、
ものすごくきちんと相手を見ている。
真っ直ぐに見つめている。
だからこそ、どんなに自由に動いても
相手にぶつかることも傷つけることも無い。
そんな気がしました。

そして、普段の生活の中でも、
私たちの本質を見てくれているのではないか、
そう思いました。

そして涙ながらの帰国。

改めて思い返します。
生きる事に本当に大切なことって何か?

必要なもの。
あったら便利だけどなくても良いもの。
あまり必要では無いもの。
無い方が良いかもしれないもの。

ブラジルでは不便なこともたくさんあるけれど
人として本当に大切なものや必要なものを
見失わずにいられるような気がします。

東京には便利なものは溢れかえっているけれど
それによって大事なものが
見えにくくなることがあるように思います。

そんな都会で過ごす毎日ではあるけれど、
日本でのコハダンの仲間と触れ笑い、ジョゴすることによって
ブラジルで得た、はちゃめちゃに自由な感覚を
思い出すことができる、取り戻すことが出来る!
そんな風にしながら心の贅肉は少しずつでも取り続けたい。
今はそう強く感じてます。

長くなりましたが、最後にこの場を借りまして、、

いつもいつも暖かく、
家族がここにもいるんだという意味を一番教えてくれたメストレ。
私が「クイダード」(注意して)を間違えて「カスクード」と言ってから
何かに気をつけるときは「カスクード」と言い続けてくれたお茶目なメストレ。
でもなまずさん、ごめんなさい。



(↑足がもつれた私に「カスクード」とちょうど言ってます)

また、つたないポル語でごく限られたことしか話が出来なくても
沢山のことを教えてくれて示してくれて、
心の自由を体で表現してくれたカントーラさん



(↑緑の洗濯籠をかぶっているのが、もちろんカントーラさん)

私たちの素晴らしい自主練先生であった子供たちを含む、イタグアイの暖かいコハダンの仲間たち



本当にありがとうございました。

そして、
頼り無い私(達)の渡航を許可し色々教授して下さった
侍先生を初めとするする先生方。

ブラジル初心者の私達に、
その良さを思う存分示してくれた
mao-de onca先生

女子先輩として
ガールズトーク満載のアドバイスをくれたparteira!

そしてそして、
このかけがえのない時を共有してくれた仲間
Hortencia, Jabur, Arecrim

皆さんに心からの感謝を!!!


Harmonia

20100426

ブラジル渡航レポート Vol.13

先月渡航したhortenciaさんのレポートです。

イタグアイのこと

リオから車で一時間程の小さな街が、イタグアイ。
コハダン・ジ・コンタスの本拠地です。



サルバドールはとても刺激的な街でしたが。

憧れだったリオにも日帰り観光に行きましたが。



イタグアイが一番好きです。
メストレ始め、コハダンに関わる皆が、家族のように迎えて下さいまし
た。

毎日ゆっくりと時間は流れ、晴れた日にはビーチへ行き、時には一晩中
踊り明かし、
時にはメストレとワインを片手にたわいもない話をしたり。
暇なときは玄関先で涼みながら、ビリンバウを叩いて。
カントーラさんの作る料理はどれも美味しく、大勢でわいわいと食べる
食事はとても楽しかった。
帰国してから軽くホームシックになった程です。
不便なことは沢山あった、と思います。
例えば、冷房がない、バスタブがない、和食は食べられない。
でもそんなことは、二日も過ごせばどうでも良くなります。
そして、東京にいれば避けられない都会ならではの不快感は、ここには
一切ありませんでした。



アカデミーアのこと

夏のアカデミーアは、とにかく暑いです。
レッスンやホーダでひとしきり動くと、皆、お風呂上がりのようでした。
滞在中は、レッスンよりもホーダが多かったです。
慣れない環境で最初は緊張しましたが、緊張してても仕方がない。
今、コンプラーしなければ、もう二度とこの人とはジョゴできないかも
しれない。
あの人ともジョゴしたい、この人ともジョゴしたい。
あ、あの人がジョゴしようって呼んでる。
とにかくジョゴする。
ひたすらジョゴする。
なんだかもう、身体も思うように動かない。(あ、これはいつものこ
と。。。)
でも、夢中でジョゴしました。
普段は積極的にジョゴできない私ですが、本当にたくさん、たくさん、
ジョゴしました。

子供達のこと

レッスン後に練習をしていると、いつも子供達が先生になってくれまし
た。
こうするんだよ、
もう一回、
もう一回、
bem!
もう一回、、、、、続く。かなり長く、続く。
いろいろ教えてくれて、本当にありがとう。
今回、この子供達の姿はとても印象的でした。
まず、姿勢が良い。
礼儀正しく、きちんと挨拶ができる。
それだけでもう、世界中どこへ連れて行っても恥ずかしくありません。



今、ブラジル経済は右肩上がりだといいます。
発展してゆけば、今のブラジルの良さが損なわれる可能性も否めないの
でしょうが、
彼等の未来の選択肢が少しでも増えればいいな、と、切に願います。
頑張れ、ブラジル。



帰国して、翌日のレッスンに行くと、東京のコハダ
ンメンバーが「おかえり!」と迎えてくれました。
自分でもびっくりするくらい、「おかえり!」が心
に沁みました。
ブラジル渡航前にも何度か耳にしていた、「コハダ
ンは家族」という言葉。
ブラジルへ行って、その意味を理解しました。
コハダンのメンバーだからという理由で、ブラジル
ではあんなにも温かく迎えて頂いて、
涙、涙のお別れをして東京に戻ってきて。
そして東京にも、ちゃんとコハダンがありました。
それがとっても嬉しかった。



長いレポートにおつきあい頂いてありがとうござい
ます。
でも、どんなに言葉を重ねても、あの素晴らしい時
間は書ききれません。
きっとこれまでにレポートを書いた方々も同様のは
ずです。
それぞれ違う時期に渡伯しているのに、驚く程感じ
た物は共通しています。
行けばきっと、分かります。

今回、ブラジルへ行って、
ブラジルが大好きになりました。
カポエラがもっと好きになりました。
コハダンがもっともっと好きになりました。


最後に。
「ブラジルのいいとこ、たくさん見せたる!」と、
ブラジルへ連れて行ってくれた渡部先生と宮野さん、
この貴重な経験の、奇跡の様な第一歩を作ってくれ
た侍先生に、
感謝の気持ちを込めて。


ブラジルレポート終了です。



hortencia

20100405

支部長ブログVol.43

月毎にランダムに東京・千葉・神奈川・静岡・新潟支部長が記事を書いて投稿していきます。

日本支部代表池村


早いもので、昨年のお花見から一年が経ちました。
碑文谷公園にてお花見がてらカポエイラのホーダをしたのは記憶に新しいと思います。

今年は学芸大学駅の商店街や地域の皆さんで構成される、碑文谷クラブさんからの御依頼で、3月28日(日)第10回桜フェスティバルに参加させて頂きました。

当日は真冬並の冷え込みで、グラウンドでのパフォーマンスを1時間頂いていたのですが、流石に体の芯まで冷え込みました。


目黒区長の挨拶でお祭りが始まり、皆でラジオ体操。
午前中は太極拳、そして深川太鼓の方々が袖無しの衣装で頑張っていたので、負けてられないと元気をもらい、盆踊りの方々に交じりウォーミングアップ。



カポエイラを前半披露して体験会。


その後マクレレを披露して体験会。


最後はサンバで皆で盛り上がろうという流れでしたが、なかなか輪の中に入って来る人はいませんでしたね。子供連れの方は、子供に体験してもらっていつの間にか一緒になってという感じで、楽しんで頂けていたと思います。

少し残念だなあと思った事は、あまりお祭り自体知られていないのかなという印象をうけたのと、若い人が少なかった気がします。

寒かったとはいえ、真冬ではないのでもう少し地元の人や、お祭り目当てに違う地区から人が来る位になれば素敵だなあと。

パフォーマンスは10分位で、体育館を借りて、無料体験会を公に発表して沢山集まって貰う等も良いかなとも思います。

カポエイラだけではなく、体育館で出来る流行りのジャンルをどんどん取り入れて、子供から大人まで楽しく参加できるもの。結果的に人が集まれはお祭り自体も盛り上がるはずなので、地元として何か提案が出来ればと思いました。

学芸大学商店街を何卒よろしくお願い致します。

世田谷教室のある代田橋から程近い、杉並区の沖縄タウンも素敵ですのでごひいき頂けたら幸でございます。

代表池村

神奈川支部代表中嶋先生、新潟支部副代表吉田さん
Boa viagem!

支部長ブログVol.42

月毎にランダムに東京・千葉・神奈川・静岡・新潟支部長が記事を書いて投稿していきます。

神奈川支部代表 中嶋



本日から5月2日までの約1ヶ月、ブラジル本部へ行って参ります。


昨年の渡伯から1年が経ちました。

この1年で


どれだけ近づけたのか

それとも遠ざかったのか


どちらにしても、楽しみです。



ブラジルのみんなに会いに、そして自分に会いに、行ってきます!

20100402

ブラジル渡航レポート Vol.12

先月渡航したArecrimさんのレポートです


時差12時間、日本の真裏の国ブラジル
カポエイラに出会った時から行きたいと恋い焦がれたブラジルそして帰って来た今、ブラジルへと戻りたいと思うくらいこの3週間ブラジルに恋いしてしまう日々を過ごしてきました。どうしてこんなに魅了されてしまうのか?

ブラジルという国の魅力を少しでもお伝えできればとレポートを書きたいとおもいます。


Natureza(自然)
自然 この言葉が本当にぴったりの国だと思いました。食事1つとっても、肉の味、野菜の味、フルーツの味、どれをとってもその素の味がしっかりと出ている。
調理されていても食材本来の味がしっかりとしている。
日本で食べるより1つ1つの個性がしっかりしている。
そんなものを食しているからなのか?
彼らブラジル人は本当に飾らず自然。
うれしい時はうれしい。悲しいときはかなしく、楽しいときはたのしく、体全身をつかって表す。
そして人懐こい人が本当に多い。



サルバドールでカポエイリスタの集まるアカデミーアに行く途中
「君たちはカポエイリスタか?」
と聞かれ
「そうだよ」
と答えると
「俺達もカポエイリスタだ!じゃぁ僕らはもう、友達だ」
と何度もいたる所で言われた。

何も知らない初めて会った人達にカポエイラという共通点だけで
うれしそうに友達だ!と言える彼らに出会えて幸せな気分になりました。


Ligar(繋がる)
カポエイラを始めて早3年。
まだまだ知らないことが多いものの覚えたことも3年分。
ブラジルにいる間さまざまな所でカポエラの歌の歌詞に出会いました。
レストランに入ればデンデオイルが出てきて歌ってみたり、メルカドモデーロに行って歌ってみたり、



スーパーで食材を見ては歌を思い出してみたり。
「あっ!この歌はこの事だったのかぁ。この場所だったのか!」
と、いろいろと繋がった気がしました。また、いつも聞いてるCDのメストレに出会えたり!
遠くに感じていた人が目の前にいる喜びは本当に信じられない感じでした。カポエイラの歴史や歌詞の意味、歌っているメストレのこと、
様々なことをもっともっと学び、実際に触れることによって
今よりもっと深く豊かなカポエイラができるのではないか?



歌うことも、楽器を弾くことも技を磨くことも歴史を知ることもすべてが大切で、
1つに繋がるのだと感じたきがしました。

Sol(太陽) 
サルバドールではよく朝ビーチを散歩しました。ビーチは朝から太陽が好きなブラジル人で大賑わい。
平日でも朝から泳いで歌って踊ってる。子供も大人も大はしゃぎ。
イタグアイでも暑い昼ごろによく散歩をしました。強い日差しにも、太陽の暑さにも
「太陽大好き!暑いの大好き」
と太陽に負けないくらいの笑顔でそう話すブラジル人達。こんなに太陽を愛している国はないのではないか?と思うくらい。太陽を愛し太陽に愛されている国ブラジル。
そう感じさせられるくらいブラジルという国は太陽がよく似合う気がしました。



Eles Elas(彼 彼女)
どんなに小さな子供でも皆男性は男性らし、女性は女性らしい。そして皆、姿勢がいい。腰の入った生活を常にしている為かカポエイラのスタイルも体の軸がしっかりしている。
しなやかさ強さは日常から始まるのかもしれない。正しい姿勢で生活すること。女性らしく男性らしくすることその考えがあるからこそブラジル人は素敵なのかもしれない。



Alegre(陽気)
サルバドールで参加したメストレルア・ハスタのホーダは本当に面白かった。
ホーダが始まる前からハーメルの笛吹きのようにビリンバウで人を集めホーダを作るメストレ。
全身から遊び心があふれるようなカポエイラをしてホーダをしきる。
遊びの天才じゃないのかと思うくらいでした。
そしてメストレ デシオももちろん陽気!
ジョゴをする時も遊び心たっぷりにジョゴしてくれました。
普段の生活も少しの日本語とやさしいポルトガル語でたくさん楽しませてくれました。カントーラさんはいつでも何処でも歌にして周りを陽気にさせてしまう。
ブラジルで出会った子供達もとってもチャーミングで面白い。



もちろん大人達だって子供の心を持った大人が多い。
優しく陽気で可愛いイタズラも忘れない。
そんな人たちにたくさん出会い沢山笑顔をもらいました。大切な事は言葉ではなく考えるのではなく感じるままに楽しむこと。
そう、教えてもらった気がしました。


Positivo(前向き)
彼らと話をすると様々な所で素敵な言葉に出会います。蚊に刺された所を見せると「蚊にキスされたのね」と言われ雨が降れば「雨を浴びに行こう」と言う海鮮物がおいしいと言うと「海のフルーツだからね」と言い淡水のことを「甘い水」と呼ぶ。音楽が好きだと言えば「音楽は人を幸せにするからね」と共感し手紙やメールの最後には必ず友達にもAbraçarやBeijarと愛情を表す言葉を添える。とにかく 本当にマイナスの状態もプラスの言葉で気分を変え
人に愛情を言葉にして与えてくれる。
すごく素敵な習慣だとおもいました。


3週間という短い時間の中で決してお金では買えない素敵なものを
いろいろな所から貰えた気がしました。
言葉が流暢に話せない分、全ての感覚を使ってコミュニケーションを取る為か、
心も体も自然体で自由になれた気がしました。
日本の生活では見失いがちな事を教えてもらったと思います。
今感じている思いや感覚を見失わないように持っていられる様に
いつも 心の中にBrasilを持っていたいと思います。




alecrim マツモト チハル