20100304

支部長ブログVol.40

毎月ランダムに東京・大阪・千葉・神奈川・兵庫・静岡・新潟支部長が記事を書いて投稿していきます。

日本支部代表 池村

本日3日、目黒道場主渡部他4名がBrasilへ向け旅立ちました。
Boa viagem!!

ひとつ前のBlogでも『Japones Garantido』について渡部先生が書いていました。

先月末千秋楽を迎えたミュージカル『Garantido』~生きた証~ですが、昨年末にも少し書かせて頂きました。


今回は終わってからの感想と言いますか、オファーから千秋楽までの道のりみたいなものを少し書かせて頂きます。

まずお話をいただいたのは昨年9月頃だったでしょうか。そして実際に稽古が始まったのは12月30日でした。
その前に出演者の方が個人的にカポエイラを習いに来ていましたが、最初にほぼ全員がそろったのは年末です。
その後稽古場に移り、断片的にカポエイラの動きを指導しながらほぼ固まったのは1月下旬ごろだったと思います。ほんのひと月あまりであっという間に動きを吸収していく役者さん達は、流石としか言いようがありませんでした。
10年近く指導してきましたが、この人数が一気にある程度のレベルまで上達するという事は通常はあり得ません。プロの役者さんですから、振付としてカウントを取りながらですが、お互いの間合いを肌で感じながら動いている感じでした。そこへ演出家の手が加わりますから、平べったい物が立体的になり、音楽や映像、衣装まで付くと臨場感が現実以上に感じられます。映画のワンシーンを生で見ているというのでしょうか。

音楽、証明、美術、音響、衣装、映像、アクション、舞台監督、それにかかわるスタッフのみなさん方が、職人として一つの作品を作り上げるという事が、これほど大変な作業なのかと感じながらも、観客的視線で観てみたり、カポエイラ家として観てみたりしている自分自身に面白いなと思えたりもしました。

役者さんは演じていますから、実際どう見えているのかが分かりません。ですからこちらも役者さん目線と演出家の先生目線の二つでカポエイラを見なければいけないなと常に思いながら作業をさせて頂きました。短期間での指導でカポエイラがどこまで表現出来るかの予想は非常に難しい。と、今回特に思いました。

千秋楽を迎え、私個人の感想ですが、カポエイラってこんなに格好良く表現できるんだ。と新たな目線が生まれたという事。そして、カポエイラは性格がもろに動きに出るのですが、役者さんの役ごとの思いで、カポエイラも変化するんだという事。
そして一番大事だと思った事が、作品が何を伝えようとしているのかをしっかりくみ取る事なんだなと。
振りが違った、音楽がずれた、照明が遅れた、セリフが違った、、、、
そういう事ではなく、(作り手側としては重要ですが)作品に込められたメッセージをどう受け止め、何を思うか、何を感じたか、その結果どう変化したのかと自身に問いかけてみる事ではないのかなあと。

大人になってから小さい頃見ていたTVアニメや動揺などを、今になって改めて思い返してみると、凄いメッセージが込められているなとびっくりする事もあります。その時見えなかった、聞こえなかった、感じなかっただけであって、それがいけないのではないと思います。分かる時が来ただけで、それを観るタイミングであったり、興味を持つ、待たないが、その作品をどう受け止めるかに相当大きな影響が出ると思います。その為のキャストであったり、演出であったりするわけだ。興味を持つという事がどれだけ大事か、皆さんもその為にはどうすれば良いのかと日々葛藤している事と思います。
話を聞いてもらうだけの事でも、これはとても重要な事だと思います。

思考は常に変化し、環境も変わる。自分自身も歳をとり、それなりに人生を経験して自信が付く。それにより見えなくなってしまった、聞こえなくなってしまった事も多いはず。常に柔軟でありたいが、完璧にはなれない。そんな自分自身を可愛いなと思えるくらいのゆとりで日々過ごしていきたいと思っております。

頑張りすぎるという事が少々苦手なもので。

今回このすばらしい作品に関われた事、そして観に来て下さった方々、スタッフの皆さま方にこの場をお借りしましてお礼申し上げます。

Muito Obrigado! Obrigado tudo!

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