20111110

ブラジル渡航レポート Vol.26

ブラジル渡航レポート

東京支部 松本千晴


今回2回目となるBrasil渡航は
私が目指すカポエリスタへのヒントをたくさん得られた渡航となった。
その中でも特に心に残る大事なヒント10をお話させて頂ければと思います。


行く間の飛行機でContra Mestre Tigreに言われた一言から私のBrasilでのdica(ヒント)探しは始まった。

[brasil本部にはビリンバウ アタバキ 歌 ジョゴ どれをとっても各々スペシャリストがいる。
もちろん彼らがホーダに入ると華がさく。空気が一変するのだ。
それは彼らの日常のポテンシャルがホーダを豊かにしているのだ。
カポエラだけを出来れば良い訳ではない日常の人生が豊だからこそ、それがホーダに表れるのだ]

沢山のスペシャリスト達に出会い、そして何より偉大なMestre Décioと一緒に過ごす2週間
今から沢山の豊な時間をともにする。自分の中にあるアンテナを最大限に敏感に張り巡らせて過ごそうと思った。


dica1.interruptor*スイッチ

brasilに来ると毎日良い音を耳にする。又1人が楽器を持つとまた1人と増えてゆく
しまいにはダンスまで入って来て朝までつづく事もある。
良いものを聴いているせいか、日本では出来なかったリズムが出来るようになったりもする。
何よりやっていて楽しい。入って来た音達が中にあるまま外に出そうとするからだろ。
ずっと体全部のスイッチがオンのままだからだろう。1日中カポエラに関わる事だから
頭の中がきりかわらないまま上手くできるのかもしれない。
入って来た物達が忘れる前に弾きたいと思う前に外に出る。
スイッチオンのままでいる事は上手くなる最良の手だと思う。




dica2.linguagem*言語

見かけない顔の人には話かけなかったりそれが外国人ならなおさらだったりする。
ましてや言葉が通じない相手ならなおさらだ。
しかし、ココにはそれが無い。会った人には全員握手をし挨拶をかわす。
言葉がわからなくたっておかまいなしで話かける。
分かるまでとことん付き合う。
大好きな事が一緒なら大丈夫、だってカポエラ好きだろ?と言わんばかりだ。
ジョゴをすれば君の事は何でも分かるという感じだろう。
五感をとことん使って生きている。体のすべてを使って分かろうとしているのだろう。
言葉にとらわれる必要は無いと言う事なのだろう。


dica3.português*ポルトガル語

しかし、ポルトガル語は話せたにはこしたことはないとも思った。
今回沢山のMestreに会う事に恵まれたBatizado,Mestre Décioとのたわいもない話から伝わる想い。
誰かの力を借りなければ理解できないというもどかしさと、誰かのフィルター越しにしか見れない想い。
自分の想いを伝えるのももちろんそうだ。
目の前に居るのに何てもったいないのだと思う。
ただ一緒に居るだけで分かる事はもちろんある。
しかし言葉にして始めて理解できる事もある。もっとポルトガル語を勉強しなければ。



dica4.grande Mestre*偉大なるメストレ

Mestre Décioの偉大さは日々生活を共にするだけで伝わってくる。
ふとした会話の中の1コマでもそうだ。
道を歩けばMestreに話しかけ握手を求めてくる人達がいる。
沢山のMestreに出会った時にも「彼は立派だ、信じてついて行きなさい」と言われた。


Mestre Samurai Contra Mestre Tigreから沢山の偉大なる話を聞いた。
始めて私がMestre Décioにあった時感じた圧倒的な魅力の謎が少しづつ分かってきた気がした。
知れば知るほどこの人のもとで学びたいという想いと、この人に近づきたいという想いになるが
知れば知るほど遠い道のりだともおもい知る。
Mestre Désioの為に何かしたい!!という想いを見たり聞いたり感じたりする事があるが
それはそのせいだろうと気づかされる。
Mestre Décioにこの事を伝えると、
「そう想う者がいてくれるから私はMestreでいれるのだ、だから私はもっと先を歩こうとするのだよ」と
Brasilにいると心も体も自由になる。それはMestreの大きな愛を感じることができるからかもしれない。
Contra Mestre Tigreが言っていた
「偉大なるMestreのグループにいれること。そして1つのピースとして歴史を共に刻む事が出来る事が何よりも嬉しい」
Mestre Samurai を始め様々な人が道を造ってこの関係を築いてくれたから今私はBrasilにいて様々なことを学んでいる。
多くの先人が築いた信頼があるからだ。
私も1つのピースになりたい。


dica5.Cantora-sam

カントーラさんのパワーは凄い!本部のBatizadoカントーラさん無しには始まらないし、終わらない。
Batizado近くなると平均睡眠3〜4時間。なのに毎食ご飯は手作りだ。
今回始めて知った事は昇段式で頂く帯の話。
色づけはMestreが主に手作業だという話は前から知ってはいたが
1本1本長さを切って編む所から始まっているという事だ。
それはカントーラさんが主体になってやっていて、もちろん日本支部のもだ。
帯を頂くとその重さを噛み締めるが、そうした想いが沢山入った帯だからこそ感じるのだろう。
沢山の仕事を抱え難無くやり遂げすべての手配と配慮を行う。
流石はMestreのお嫁さんだ。まさに おかみさん!! 
やっぱり すごい。


dica6.acreditar*信じる

「もっと強いカポエラをしたい。自分は弱いと思う」
という問いにMestre Décioの答えに私は、はっ!とした。
「誰が弱いと言ったんだ。弱いかポエラをしているなんて一度だって思った事はない
 自分自身で弱いと決めつけただけじゃないか。皆強いカポエラをしているぞ」
自分を信じる事が何よりも大切でそれが全てのことを可能にする力なのだ。
「自分の先生を信じてジョゴをしなさい。レッスンで学んだ事、見た事、感じた事をホーダで出すだけだ」
とも話していた。
行きなれないホーダに行くといつも感じる事は(空気に飲まれる自分がいる)という事だ。
しかしそれは先生をそして自分を信じていないからだろ。アンゴラにしろヘジョナウにしろ何のスタイルだとしても
コハダンジコンタスのジョゴをすれば良いだけなのだ。
いつも心の真ん中にMestre Décio がいる。教えくれた先生が自分の中にいる。学んだ全てが自分を造ったのだ。
目の前の事にとらわれず信じて進むだけなのだ。

「お前の中には何がある?何を持ってジョゴしているのか?」

次回は真っすぐにこの問いに答えたい



dica7.energia de mão手のエネルギー

ここでは分からないとすぐに手が差し伸べられる。
レッスン中はもちろん自主練でもだ。
先生はもちろん出来る人が出来ない人に、帯が上だろうが下だろうが関係ない。
分かる人が分からない人に教える、教えてと発信する前に手が差し伸べられる。
言葉が分かろうが分かるまいが関係無いといった感じだ。
なぜそういった環境が生まれるのか、それはエネルギーが繋がっているからだろう。
レッスンに関わらず皆、出会うと必ず全員と握手と挨拶をする。帰るときも同じだ。
そして必ずギュッと握手の最後は握る。パワーを繋げた気分だ。
これを毎回しっかりするから皆のパワーがしっかりと繋がっているのかもしれない。





dica8.Motivaçãoモチベーション

1つ1つのレッスンを流さずに受けているという事を強く感じる。
レッスン中に失敗したら必ずやり直しをその場でする。
二人組ならば真剣に相手に立ち向かう。
常にやり切り、出し切っているのだ。
目や耳だけではなく全てで相手を感じて相手に本気で挑む。
出来ないとか、当たったらとか、そんな事に捕われることなく打ち込むパワーを見せつけられた気がした。

dica9.enfrento向き合う

Brasilに一緒に来た仲間といろいろな話をした。
思っている事、感じた事、考えている事
帯が違う仲間だからこそ見えるもの感じるものが皆違うし共感する所もある。
想いもつかない悩みや考えや答えがある。
それらを話、共に考え悩む事は自分自身を振り返り見つめる1つの物差しになる。
今回のメンバーだからこそ感じ取れた世界に感謝したい。


dica10.comumあたりまえ

本部の生徒はうらやましい!と思っていた
毎日Mestre Décioから重要なカポエラの話を学べレッスンを受け想いを受け取れる。
しかし日本支部にいるから見れる事、分かる事がある。
この2週間私は体中のアンテナを張り巡らせて過ごした。
多分この間ココにいつも来ている生徒以上に様々なことを吸収しただろう。
それはすべて自分が日本人だからだ。
日本人だから分かる事、日本から来たから見えるものがある。
Brasilの生徒に「Mestre Samuraiのレッスンを毎回受けられてうらやましい」といわれた。
日本の先生達だから伝えられる事がある。
当たり前に思っている事が裏側から見てみると凄く恵まれている事なのだ。
あたいりまえが、あたりまえである事がどんなに大変で大切な事なのだと改めて思った。



この10のdicaは今の私のフィルターを通して感じたものでしかない。
今の帯だからこの歳だからそしてこのメンバーだったから分かった事だと思う。
1つ前の帯だったら、1つ後であったら、違うメンバーだったら…
きっと違う発見があっただろうが、今回のような発見は出来なかっただろう。
Mestre Samurai,Contra Mestre Tigreをはじめ今回一緒に行ったメンバーに感謝したい。
そして何より暖かく迎えてくれたMestre Décio Cantora-sam 本部の皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

ここまで読んでくださった方に私が得たBrasilでのdicaが少しでも何かのヒントになれば幸いです





alecrim

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