20111108

ブラジル渡航レポート Vol.25

ブラジル渡航レポート

日本支部代表池村 Mestre Samurai

今回、リオデジャネイロ本部第17回昇段式参加にあたり、代表池村、千葉支部代表中村、生徒の同行者は、伊財、柳生、木内、松本、藤嶋の7名がリオデジャネイロへ渡った。

昨年に引き続き、ブラジル本部昇段式の時期に。
10/17~11/2と、現地滞在は二週間と短かったが、昇段式参加が目的であるので、充分な期間だ。
個別に渡航レポートを書いて貰うが、渡航した者それぞれが見た物、感じた物が違うので面白い。

さて、私は8度目のブラジルになる?のか、恐らくそれくらい来ているが、やはり飛行機の時間は長い。
まあ年々機内サービスが充実してきているので、映画などずっと観ながら行くことも出来る。

実際行きで5本、帰りで5本と、デルタ航空にはお世話になった。
単純に20時間は観ていた事になる。

目は充血してしまいましたが、なかなか楽しい時間だったように思う。
さて、今回のブラジル滞在での日記は個人ブログの方へ書いたので、日々の事はそちらで。

その記事はこちら Samurai日記


ここでは写真を交えながら今回の渡航で感じた事等を振り返ってみる。

今年はアメリカンエアーラインの金額がギリギリまで出ず、久しぶりにデルタ航空で行く事になった。


どこの航空会社を使うにせよ、必ずマイレージポイントを貯める事を忘れずに。ブラジル往復だと2万マイルほど貯まるので、かなりお得だ。

自宅を17日朝10:00出発

館長宅に18日11:30頃到着(サマータイム)

自宅から館長宅まで36時間ほどかかった事になる。1日半かかる訳だ。大変だ。

そこまでしてブラジルに行く価値はあるのか?と言う質問は必要無いだろう。

もし、その国の文化を習おうと思えばその国に行くのが早いからだ。当団体は毎年ブラジルから館長が自ら日本に訪れてくれるので、そう言った意味では身近に本場のカポエイラを感じる事が出来る。

ブラジルに行けなくても日本でブラジルと同じ稽古が受けれる訳だ。


今年の昇段式には、日本支部から7名、グァイーラ支部から1名、フォスドイグアス支部から1名の参加だった。

昇段式は22日(土)

それまでは普段の稽古とは別に、昇段式の準備で慌ただしくなる。
他支部からの参加者は、準備を手伝うとなると香ってが分からないので難しい。なので、当日使う楽器のメンテナンスと言う事でまずはくたびれたカシシの修理を。



バケッタを新しく竹から切りだす。


バッケッタの切り出しは、道具があるものでやるのでかなり苦戦するが、カシシのメンテナンスは日本から持って行ったキリやニッパーが役に立った。

細かい作業の道具は、日本製がやはりしっくりくる。

こういった作業を通じ、物を大事にする心を養います。自分が手掛けた物には愛着が産まれる。とても大事なことだ。

昇段式後の打ち上げは、自分達で料理を作り、とにかく節約します。
下ごしらえは女性陣が手伝っていました。

この時期の渡航は、ブラジルでの昇段式と日本の昇段式の違いが物凄く分かる。
地域に根差し、皆で手作りするブラジルの昇段式、東京での昇段式は都会らしい違った側面を持つと言う事。どちらも良い所、悪い所は色々。

さて、今年の昇段式はたくさんの他団体のMestre達がお祝いに駆けつけてくれた。
順不同
Mestre Orlando Giori(Mestre Decioの師)
Mestre Mentirinha
Mestre Polaco
Mestre Malhado
Mestre Chita
Mestre Bocka
Mestre Chiquinho
Mestre Korvinho
Mestre Michel
Mestre Jorginhp toto
Mestre Capa
Mestre Arraia
Mestre Preguiça
Mestre Robalo
Mestre Tota
Mestre Ninguem
Mestre Palhaço
Mestra Thiara
Mestra Cleide

Accc
Mestre Décio
Mestre Vaga lume
Mestre Mestiço
Mestre Dunga
Mestre Samurai
Contra Mestre Chocolate
Contra Mestre Tigre
Professor Queixado
Professor Varente
Professor Gafanhoto
Professor Bahiano
Professor Piedade
Professor Sobrancelha
Professor Morejo
Professor Jesus
Professor Sebora
Professora Cantora
Professora Ousada

これだけの人数がステージに上がると、Rodaは完全にMestreのコントロール下になり、Professorはなかなか入れない。これだけのMestreが集まったホーダは初めてで、本当に勉強になりました。この会に参加出来た事に感謝致します。



今回とても印象に残った、と言うよりも、コハダン・ジ・コンタス創始者Mestre DecioのMestreが駆けつけてくれた事が何よりも凄い事であった。

すでに引退していて、病気で脚が悪くなっていた。

ずっと探していたのに今まで見つからず、偶然お孫さんを見つけた所から今回の参加が実現した。

真ん中がお孫さんのGiore氏
日本の文化やアニメが大好きで、マーシャルアーツもたくさん習っているとか。数年前からカポエイラも始めたそうだ。

ブラジルは日本と違って、貧しい地区では住所も電話番号も分からないと言う事はよくある。
出生届など数年後に提出したり、しない場合もあるとか。なので、本当の誕生日と届け出の誕生日が違うと言う事もよくあるらしい。

Mestre Decioから、お前達に私のMestreに会わす事が出来て良かったと言われた。
そして、Mestre Gioreも、自分の弟子が今ではMestreになり、更には日本にまで生徒がいると言う事を当日初めて知り、本当に喜んでおられた。


カポエイラがどうとかではなく、人と人との繋がり、そして歴史とはこうやって作られていくのかなと強く感じた一日になった。

これは既に日本でも始まっている。
師が弟子を育て、またその弟子が弟子を育てる。

師が引退してからもそれは繰り返され、日本での歴史が作られていく。

今回、Mestreはこれこそが私の目指しているカポエイラなのだと話されていた。弟子を育てる。その弟子がまた弟子を育てる。

そして、弟子が師に恩返しをする。

今、Mestre Decioは全力でMestre Gioreに恩返しをしようと動いている。
それだけではなく、Mestreの周りにいるたくさんの貧しい人々へも手を差し伸べ、援助したり助言したり、若い子たちを更生させたり、とにかくMestre Decioとはそういう人である。

私達日本人がリオの空港に来る時は必ずMestreが直々に迎えに来てくれる。弟子を預かる以上責任を持って引き受けてくれているからだ。

私達日本人は、この事に気が付かなくてはいけない。

一日限りのワークショップではない。

経験としてそれも大事かもしれないが、誰かに師事すると言うことの本質は何なのか、しっかりと理解してカポエイラと言う文化を学んでいきたいと強く感じた。

今回、私と千葉支部代表中村は何度か本部で指導を任された。
本部のお弟子さんへの指導など、、、と思いつつも、指導後、Mestreにこう言われた。

彼らにとって日本で活動している私達から指導を受けると言う事はとても刺激的だ。同じ流派内でもタイプが色々あって、個性が出る。それが大事で、色々な目線からカポエイラを見つめる事が出来るいい機会なのだと。

今回私達が滞在中に彼らに色々教える時間があった。Mestre Decioも、普段の稽古の度に皆に言っていた。私達が滞在中に色々学びなさいと。

2週間ほどだったが、この期間に来なかった者はチャンスを逃したな。後で叱っておこうと言っていた。

ワークショップとはこうあるべきだとも言っていた。

私も同感だ。

昇段式後の1週間は比較的ゆっくりとした時間が流れ、カポエイラの事もそうだが、日常的な事も色々と話が出来た。

年々話す内容の理解度も上がっているが、より深い事も話すようになってきた気がする。

それだけ責任があると言う事なのだろう。

肝に銘じておこう。細かい事はクラスで皆さんに少しづつ伝えていければと思います。


最後に、日本の状況もいまだ良くない中、今年もブラジル行きに賛成してくれた嫁と、娘達

7名もの日本人を受け入れてくれたMestre Decio,Cantoraさん、そして代行など色々サポートしてくれた日本支部の皆さん、この場をお借りして感謝の気持ちを伝えたいと思います。

ありがとうございました。 Muito Obrigado!

Mestre Samurai

0 件のコメント: