20110607

支部長ブログ Vol.68

月毎にランダムに東京・千葉・神奈川・静岡・新潟支部長が記事を書いて投稿していきます。

神奈川支部代表 中嶋

2011年、ブラジル渡航記(4月13日~5月4日)



昨年4月、10月に続き今年の4月も渡伯し、とても恵まれた時間を過ごすことができています。
この短期間でも、本部の子供たちの成長は著しく、とても驚かされます。



昨年まで初心者クラスに出ていた10代の生徒達は、カポエイラはもちろん、身体的にも精神的にも成長し、今回の渡伯時には、子供クラスを教えるまでになっていました。
この世代の生徒達は、カポエイラに対する姿勢が真摯で、既にカポエイラに対して一定の成熟した考え方を持っています。

彼らが受け持つ子供クラスには秩序と規律があり、優しさと共に必要な厳しさを兼ね備えています。
とても人気が高く、近隣に住む子供達が少なくても20人、多い日は70人やってくるそうです。
私が参加した日は、30人近い子供達が稽古に来ていました。











子供カポエイリスタが増えている背景には前大統領時代に開始した、政府の政策『Projovem』※の活動があります。

メストレ デシオ館長を始め、当団体のコントラメストレ、インストラクターが、小・中学校へカポエイラを教えに行く事により、子供達がカポエイラに触れる機会が増えました。
メストレが担当している学校へ私も同行させて頂く機会がありました。
途中から道路の舗装がなくなり、辺りにはうっそうとした南米特有の木々が生い茂る道を車でひた走り、辿りついたところは自然豊かな村の学校でした。
近くには滝があり、学校帰りの子供達が岩場から飛び込み、遊んでいました。

レッスンは低学年と高学年に分かれて教えますが、中には高校生くらいの若者もいます。
メストレに聞いたところ、町から離れた閉鎖的な地域の為、若い年代で道を踏み外し、気づいた時には何も身についておらず将来がない、そんな若者が再び学校に戻り、小さい子供と一緒に勉強をしている、そんなケースもあるそうです。

子供達は遠いところまでカポエイラを教えにきてくれるメストレにとても感謝しており、学校スタッフからもらったお菓子をみんなが一つずつ、メストレにくれるそうです。
自然豊かな土地ならでは、家で育ったバナナをメストレの家に届けてくれる子供もいました。
子供達はとても熱心で、練習は学校だけにとどまらず、今では当団体の道場に個人的に稽古に来ています。


数年前まで若かった層は、今では確実に団体の一つの厚い層になり、

下にはまた新しい層が生まれつつあります。

次回渡伯した時に、新しい層の成長が見られるのが楽しみです。


神奈川支部
中嶋



※Projovem
貧しい家庭の若者達の為の、貧困・不平等・成長に良くない環境を減らす政策。
カポエイラ・ダンス・演劇・歌などを学校で学ぶ事ができ、授業以外の時間を成長に良くない環境に関わる可能性を低くし、子供達の才能を育てる為のプロジェクト。

0 件のコメント: