20090323

ブラジル渡航レポート VOL.6

2008年秋、ブラジル本部でのバチザド(昇段式)に参加するために、日本支部から代表含む生徒数名がブラジル本部に渡航しました。現地で感じたことや学んだことなど、何度かに分けてレポートをアップしていきます。東京支部、Ventaniaさんです!

地球の反対側のその国

日本から飛行機で乗り継ぎを合わせて30時間ほどでブラジルのリオデジャネイロに到着します。途中の乗り継ぎ地の空港職員さんに「リオはとても危険だぞ」と脅されましたが、日本のほぼ真裏にあるそこはとても違うようでいて実は同じだったりと、とても不思議で刺激的な国でした。

【第一印象】
朝に空港に着いたのですが、天気が良く太陽が明るくすごく気持ちが良かったと記憶しています。空気は少し埃っぽく感じましたがすぐに慣れました。見るものすべてが日本のそれとは違って見えてとても感動しましたが、ただそれと同時に言葉も全く分からないのでとても怖くも感じていました。そして私は人見知りをするので、それも手伝って最初は現地の方々と挨拶すらも笑顔で出来なくて苦労しました。今思うのは、多くの方々が本当にとてもいい方なので話せなくても笑顔で挨拶をし、それだけでコミュニケーションになるので心をなるべく早く開いてみた方がいいと思いました。

【違うと感じたこと】
初めは言うまでもなく言葉!です。
当然ですが会話は全てポルトガル語です。ということで慣れたころには日本人同士でいても現地の方がそばにいるときはポルトガル語で話せる範囲で話すように心掛けました。もちろん気持ちが伝えられないのでストレスが少し溜まりますが、そのうちに慣れました。私は言葉が全く分かりませんでしたが、なるべくメストレやメストレご一家、現地の方や先生、先輩のそばにいて会話を聞いているようにしていました。会話にはついていけませんが空気を感じるようにしていました。喧嘩をしているように会話をするので始めは少し怖かったのですが、そうではないようです。しかし分からないからといってボーっとしすぎ空気になっていると逆にそれを察知され心配されるので気をつけましょう。
2つめは体です。

 まず足の長さからいって違います。皆さん激しく長いので蹴りはすごく遠くからでも届きます。カポエイラをする時は相手を必ずよく見ましょう。しかしこれは日本でも同じなのですが・・・。体のバネもかなりありますし足の骨や力も恐らく強いです。これは道の舗装があまり整っていないので毎日歩くことだけで相当鍛えられていることも関係あるのではないかと私は思っています。私は道を歩くだけでもすごく疲れました。しかしそれに気がついたのは日本で舗装された道を歩いた時でしたが・・・。
そして、3つめは危機意識です。
 お国柄でしょうが、現地の人は日本よりも治安がよくないこともあって日本人よりも危険察知能力が高いように感じました。初めの一歩?が速いように感じます。それはカポエイラにも共通しているので蹴りや入りなどもとても速く力強く、身体能力も高いのでアクロバット率も高かったです。なのでそれらすべてが私にとりとても素敵で魅力的に感じました。そしてますます憧れを感じブラジルが好きになりました。ただ、やはり外出をするときは必ず慣れた現地の人と行動しその人の言うことをきちんと聞くことが大切でしょう。
ブラジルはラテンの国なのでとても開放的な国で日本とは100%感覚が違うものと思っていたのですが、実際はそうでもないのかなとも思いました。というのは私が滞在した時、白いカポパンを着て正式なホーダに参加する時、女性は下着は小さいものは厳禁でカポパンから透けるような柄物もあまり好ましくないと言われました。日本では、はしたない、恥ずかしいからという感覚かと思いますが、ブラジルではそれよりも男性がそれを見て、そのパートナーや奥さんが嫉妬するから、というシンプルかつなんともラテンな理由を説明されました。結果的には同じことだったので日本人としては少し安心しました。
話がずれましたが、あともうひとつ忘れてはならないもの、虫です。
蚊はかなり強敵でした。10月はそうでもなかったのですが12月はかなり刺されました。人にもよるかと思いますが、虫よけスプレーして虫よけを置いておこうが蚊がお構いなく刺していきます。あまりに刺されたのでそういった病気になったらと思いましたが、平気でした。神様に感謝です。またゴキブリは日本のそれに比べかなりスピードがのろいです。私はこんな同時にそれらをみたことないっていうくらい見て卒倒しそうになりましたが、あまり動かないのでなんとかせずに済みました。これも神様のおかげかもしれません。
そして神様といえば、日本と明らかに違うものが宗教です。
宗教のことは詳しくないのですが、ブラジルはカトリック圏で多くの人がその信者のようです。教会には週に1度は行く様子で私達も一緒に行くことができました。カトリックにも色々種類があるようで私は今回3か所の教会に行きましたが、そのどれも個性があり教会といっても場所によって様々でとても面白く私はとても好きでした。ただ共通しているのは喜びや悲しみや感謝の気持ちなどを神と共有することでより自分や家族の幸せを倍増させることが出来、そしてネガティブな考えに襲われた時は、神様と会話することによって神様が悩み解決の手助けをしてくれる、ということ。通う人々のたいていが赤ちゃんの頃から教会に通っているようなので地域にすごく根付いているようです。またメストレのお兄さまの教会ではプロフェッソール・ショコラッチがホーダやレッスンを行っており、それにも数度参加することができました。私は初めてその教会のミサに行った時、それがとてもカポエイラに似ているように感じました。歌、楽器、それに合わせて表現するムーブメントなどなど。そして小さい頃からそれに当然のように触れられるブラジルの文化の質の高さ、素晴らしさを感じました。信仰心による精神的な強さ、人間性の大きさ、ブラジル人の多くがとても親切なのはそこから来ることなのかもしれないと感じました。
 



【帰国して】
私が今回滞在して本当に感じたことは、やはりカポエイラは素晴らしいということ、そしてコハダン・ジ・コンタスは一つの家族なのだということです。そしてそれらに出会えたことに感謝しました。またあちらからすれば、こちらが裏なわけでお互いにとても遠い国ですがそれぞれの良いところを尊重し、尊重しつつも日本人のいい部分やその心は忘れないようにと思いました。また先生方はあちらに行ってもやはり先生で私は普段からとても素晴らしい方々にご指導していただけてることを再認識し、それに感謝しました。しかし、こういったことを感じられたのもメストレやメストレご一家、一緒に御同行させて頂いた諸先生先輩方に色々と教えて頂けたおかげです。足りない部分を手助け頂いた皆様と、こういったチャンスに恵まれ今に至れることに感謝の気持ちでいっぱいです。
私自身は多くの課題があるので今後も向上できるように自分なりにですが努力をしていきたいと思います。そしてもし次回行く機会が持てればよりよい状態で過ごせるよう、心身ともに成長させながら過ごしていきたいと思います。

        東京支部 Ventania

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