20120403

支部長ブログ Vol.78

月毎にランダムに東京・千葉・神奈川・静岡・新潟支部長が記事を書いて投稿していきます。

目黒道場主 渡部 健志

3月25日(日)茨城県土浦までフィーリョス・ダ・テーハのバチザドに参加してきました。
フィーリョス・ダ・テーハの代表であるプロフェッソール・シーナが数年前にブラジルに帰っていましたが、今回日本に戻ってくるとのことで、それまでの間昇段できなかった人たちの昇段式が行われました。
参加者が全員で50名ほどのこじんまりとしたものでしたが、とても良いバチザドでした。
ただ、外部からの参加者の多くはブラジル人を代表に持つグループでした。

現在日本にはブラジル人(日系も含む)が代表のグループが多数ありますが、プロフェッソール・シーナなどはその草分け的存在です。
日本にまだまだカポエイラが根付いてない時代からの人です。
その当時のブラジル人がブラジル人だけのコミュニティーではなく日本人を対象にカポエイラを教えていく苦労は相当だっただろうと思います。

もし僕が日本の伝統的武術をやっていて、はるか遠く異国の地に仕事で行くことになったとします。
一旦その地に行ってしまったら日本にはいつ帰れるか分かりません。
僕は武術をとても愛していますが、まだまだ師範レベルではありません。
けど、異国に行ったらもう師範の指導を仰ぐことはできません。
その武術を続けるには、その異国の地で現地の人を巻き込んでやるしかありません。
とにかく始めてみたものの困難の連続です。
周りからは「あいつは本当に指導資格のあるレベルなのか?」と白い目で見られることもあります。
現地で興味を持った人たちのうち数人は日本に渡り、師範のもとに何度か訪れているうちに指導資格を得て正式団体を作りました。
何年も経つうちにようやくその地でも武術が広まり始めましたが、快く協力してくれるのは自分と同じ境遇の数人の日本人が中心でした。

さて、どうでしょう?
日本でカポエイラ団体の代表をやってきたブラジル人にも同じようなことがあてはまらないでしょうか?
現に僕がカポエイラを始める前から日本でカポエイラのグループを作っていたシーナと僕は同じプロフェッソールです。
だからといって、僕は同じプロフェッソールだとは思ってません。
今日本では、なかなかブラジルに帰れず、自分の先生ともつながることが難しいブラジル人を日本人がどんどん帯のレベルでは追い越していってます。
僕は今回のバチザドに行くまでシーナとは数回会ったことはありましたが、話をしたのは今回が初めてです。
雑談を軽くした程度で、こんな深い話には触れませんでしたが、シーナ不在でもグループを支えてきた日本人の弟子たちを見てると話さずとも感じ取れます。

カポエイラを愛し、それを次の世代に伝えていきたいと心から思える人のもとに本物のカポエイラはあります。
うちのグループのようにブラジルの本部としっかりつながっていることも大事なことですが、それだけが本物だと勘違いしてはだめです。
そういう意味では、今回のフィーリョス・ダ・テーハのようなグループのバチザドに日本人代表のグループがもっと参加できるようになれば良いなと思いました。

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