20110621

ブラジル渡航レポート Vol.23

ブラジル渡航レポート
2010年10月14日~29日

千葉支部 中村愛子(Chita)




今まで何度も「私にとってブラジルってどんな存在なのだろう?」と考え続けて……
正直何も答えが出てきませんでした。

今までブラジルに興味を持ったことは一度もなく、サッカーもサンバも嫌いではないけど好きでもない。
黄色や緑色なんて大嫌い!
ブラジル料理もイマイチ。
カポエイラを始めて7年が過ぎるのにそもそもカポエイラをやっている意味もまだわからない。

そんな私がブラジルに行ってきました。
もちろんこんな私でも前々から「行きたい!」という気持ちがあったからです。
何故行きたいのかと考えてみて、単純にカポエイラをメストレのいる環境でやりたいという気持ちがあったからですが一番の理由として「行かなといけない気がする…」とかなり漠然とした思いが大きく私の頭の中にあったからです。


勝手のわからない環境で、しかもやっと歩き始めた息子と一緒という生活。
仕事のない生活ということで少し調子が狂いましたが、家族と一緒にいたからなのか淡々と過ぎたように感じました。
当たり前の事ですが、何処にいても育児や家族のコミュニケーションは変わらないんだなぁ~とつくづく思いつつ、しかしメストレのいる場所で毎日カポエイラができる時間を無駄にしないように、、、、と思いながらも子供がいるとなかなか思うように稽古ができないのが正直なところです。
日本でも同じ状況ですがこの限られた行動範囲でどのように過ごすかが課題でした。




ブラジルでの細かな様子は私が話さなくても皆さんの報告でわかると思います。
私が1つ話すとしたら教会のことです。
ブラジルの人達にとっての教会の存在の大きさに驚いたのと、それと同時に「日本にもこんな場所があったらなぁ~」と羨ましい気持ちも。
教会ではバンドの演奏に皆が歌い踊って、笑顔で生き生きした目をしながら神様に祈りをささげていました。
ん~、神父さんよりも大きい存在感のメストレって一体何者なんだろう?と真面目に考え込んでいるうちに時間が過ぎてしまい最後に目をつぶって頭に手をかざされて何やら「ぶつぶつ…」と。
「にゃ?なんだ?」と全く意味が解らなかったのですが何故か涙が出そうになった私。
心が洗われる感じに不思議な余韻が残りました。



これから続々と小さい子供を連れてブラジルに行く人が増えてくると思うので子供の食事面のことを話しておきます。
子供にブラジルでの生活はとてもいい経験ですが一歳の息子の食事にコーヒーに浸したビスケット、香料たっぷりの甘いヨーグルトにケーキやチョコレート、大人と同じ塩分濃度の食事。
日本では塩分も砂糖も殆ど摂取していなかった息子なので冷や汗がタラタラ。
ブラジルの生活に合わせなくてはいけないのは解っていても母としてはこの状況に気が気ではなかったのが正直なところです。
片道30時間!飛行機の狭い環境で小さい子と過ごす大変さ、子供を連れて危険な場面に遭遇するかもしれないといつも頭の片隅に置き、なにより家族旅行ではなくカポエイラをするための修行の旅。
子供の物をいろいろな事を想定しながら準備して、仕事を休むのも一苦労。
正直疲れました…。
それでもまた家族と一緒に修行に行きたいと思える場所でした。




で、今回私はブラジルに行って何が変わったか??
何も変わっていないです(笑)

やっぱり今でも私はカポエイラの曲で歌うよりミッシェルガンエレファントの曲でシャウトしたいし
パンデイロやビリンバウをやるならサックスやトランペットでジャズの曲を吹いていた方が楽しい。

渡伯は目標地点ではなくただの通過点なのでこれからまだまだ答えのない辛い道を進んでいくでしょう。
今だにカポエイラをやる意味がさっぱり分からなくても、それでもやっぱり私は稽古をし続けます。
カポエイラが好きだから、やりたいから稽古をする。
それだけの理由じゃダメですか?


カポエイラをやる意味を考えて苦しんだり、帯が上がっていくプレッシャーや技術面での悩みをかかえたり、カポ以外での精神的なものが響いたり、家事や育児の疲れで思うようにレッスンが出来なかったりと、全ての人達が何かしらのストレスを抱えながらもカポエイラをしていると思います。
それでもやりたいって思えるものって素晴らしいです。
そんなことを思わせてくれるカポエイラが生まれたブラジルに行くと何かが変わるかも?
「そうだ、イタグアイに行ってみよう!」
そこには沢山の笑顔と素敵な教会、美味しい果物が待っています。


Chita
中村 愛子

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