20090424

支部長ブログ VOL.11

月毎に東京・千葉・神奈川支部長が記事を書いて投稿していきます。

東京支部目黒道場主 渡部

カポエイラにおける強さ

「カポエイラにおける強さとは常に冷静でいることだ」
これはメストレ・ブラジリア(名古屋の団体ヴァジアソンのメストレ)の言った言葉です。

カポエイラは格闘技でありながら試合における勝ち負けという制度を取っていません。
しかし、見ている人たちからは闘っているどちらが強いのかは分かります。
意図的な攻撃によって大けがに遭うこともよっぽどお互いがエキサイトした場合を除いてほとんどありません。
しかし、相手の圧力に押されて恐怖することは多々あります。

僕はカポエイラを始めて7年という歳月が過ぎ、最近では日本でのカポエイラにおいて怖いと思うことはほとんどなくなってきました。
逆に言うと、ほとんどのみんなと同じように怖かったということです。
初めてのバチザドでは上級者たちのあまりにも激しいジョゴに足元が震えました。
3年目くらいまでは昇段式で自分の順番が回ってきたときには心臓が口から飛び出しそうでした。
今に至るまでは一つ一つ恐怖を自分で認め、それに立ち向かい克服していくことの積み重ねでした。

もちろん今が最高だとは思っていません。
数年後には今回このようなことをブログに書いたことをかわいいと思うように必ず成長しているはずです。
この積み重ねが、この先、命が終わるまで続く人生でありたいと思っています。

さて、どうやって克服してきたかというと、恐怖している時の自分の姿勢をひたすら見つめてきただけです。
恐怖している時はどうしても相手に気が向いてしまって、自分に気をまわすことが難しいです。そんなときに無理矢理でも自分に気を向けるといろいろなものが見えてきます。
腰が落ちる、腰が浮く、肩が上がる、手足の指先に力が入るなどです。
すべて姿勢の乱れです。

まずはどんなときでも腰を安定させることを目指しました。
相手とジョゴをしている時もひたすら自分の腰を決めることだけ意識しました。
相手とジョゴをしているのに自分のことばかり考えるなんてと思われるかもしれませんが、腰が決まれば不思議と相手がよく見えるようになります。
同じように目を開いて同じ景色を見ているはずなのに違う見方ができるようになります。

僕にとって恐怖を乗り越えないといけない相手はまだまだいます。
いずれどんな状況においても「常に冷静でいる」自分に辿り着けるはずだと信じています。

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